教育支援体制EDUCATION SYSTEM

キャリアパス

キャリアビジョンとキャリアパスの設定

当院の教育プログラムを経て、自己のキャリアパスを設定した看護師たちをご紹介します。どのようにしてキャリアビジョンを描き、キャリアパスを設定してきたのか、参考にしてください。

  • 自身の目標達成だけでなく
    スタッフの課題解決も喜びに

    主任
    Mさん(2009年入職)

    入職から現在までの経緯

    入職当初は2号館7Nに所属し、心臓血管外科、呼吸器外科で約6年間経験を積みました。6S病棟に異動後、耳鼻咽喉科、皮膚科領域で経験し、新棟完成に合わせ10A病棟(皮膚科・形成外科・消化器外科)に配属となりました。救急部外来、8D病棟(循環器内科・腎臓内分泌代謝内科)を経て現在の7D病棟で働いています。6S病棟配属時の耳鼻咽喉科領域の経験が現在の部署でも活きています。

    現在の仕事内容とやりがい

    今年度から主任として配属され、臨床実践能力だけでなく、コミュニケーション、職業者としての姿勢など様々な面で病棟スタッフのモデルとなれるよう日々意識して働いています。これまで、いちスタッフとして患者さんの看護目標を達成できた時にやりがいを感じていましたが、今はそれに加え、病棟のスタッフが発達課題を解決しながら成長していくことに喜びを感じることが多く、サポートできることにやりがいをもって取り組んでいます。

    今後の目標

    緩和ケアリンクナース、ユマニチュードWGとしての活動も行っており、それら自身の強みとなる領域を伸ばしつつ、ジェネラリスト・ナースとしての能力を高めていきたいと考えています。

  • がん患者さんのQOL向上に加え
    看護師の支援、
    自身の研究にも注力

    専門看護師
    Sさん(2006年入職)

    資格取得を目指した理由

    入職後、婦人科病棟で多く出会った若年世代や終末期のがん患者さんへのケアに関心を持ちました。一方で、患者さんにとって良いケアを行えているのかと悩み、葛藤することが増えました。がん看護に対する知識や技術を学びながら、ケアを見つめ直したいと思うようになり、また、研究活動を通じてエビデンスがケアに活かされることを体感し、研究の重要性を認識しました。そこで、実践も研究役割も担うがん看護専門看護師を目指すことにしました。

    現在の仕事内容とやりがい

    外来を中心に、難しい治療選択を迫られるがん患者さんの診察への同席や面談を通じて、病状や治療に対する理解の促進や思考の整理を行い、患者さんの価値観に沿う意思決定ができるよう支援をしています。また、様々な苦痛や問題を抱える患者さんのケアに迷い葛藤する医療者に対して、解決策を一緒に考えたり、必要なケアを調整したりしています。患者さんの症状緩和が図れたり、ジレンマが解決したりした時にやりがいを感じます。

    今後の目標

    専門看護師になり5年が経ち、視野が徐々に広がっています。今後は、組織全体におけるがん看護の提供体制を見直し、より多くのがん患者さんのQOL向上を図りたいです。また、効果的な相談・教育方法を検討し、看護師が自身でよりよいがん看護を提供できたと感じ、やりがいを得られるように支援していきたいです。そして研究活動にも力を入れ、エビデンスの構築やそれに基づいた看護実践を推進していこうと考えています。

  • 集中治療室を退室した患者さんの
    病棟へ出向いてスタッフへの指導を行う

    認定看護師
    Iさん(2000年入職)

    資格取得を目指した理由

    ICUに入職してから9年間の実践後、胸部外科病棟で1年半勤務し、入院から退院までの看護を実践しました。ICUでは生命の危機にある患者さんの生活を援助し、病棟異動後は多くの併存疾患を持ちながら複雑な回復経過をたどる患者さんや、様々な思いを抱え大きな手術への不安を持つ患者さんに接してきました。その中で、患者さんが入院前の生活を早期に取り戻すためには、病期によって変化する患者さんの全身状態をアセスメントし、予測的かつ継続的な視点で介入を意図的に、そして戦略的に実践していく力が必要になることに気づきました。治療上安静な時期から患者さんへ実践可能なケア方法の検討と、継続した視点で回復期まで段階的に介入するための方法について系統的な学習が必要と考えて、集中ケア認定看護師の資格取得を目指しました。

    現在の仕事内容とやりがい

    現在、私はHCU病棟に所属しスタッフとして患者さんへ実践するだけでなく、部署外活動として集中治療室を退出した患者さんを担当する病棟に出向き、スタッフへの指導を行っています。気道管理が困難な患者さんへの管理方法の指導や排痰困難で酸素化が不安定な患者さんへの介入方法、全身の筋力が低下した患者さんへの安全な離床拡大の方法などをスタッフに直接実践指導する機会や、病棟のカンファレンスを通して看護チーム全体に指導を行う機会が多くあります。また、RST(respiratory support team)活動を通して他職種とチームを組み、人工呼吸器装着している患者さんの早期離脱を目指して話し合いを行っています。職種を超えて患者さんに必要なケアを話し合い、担当する看護師や患者さんの変化を感じた時に、認定看護師としてやりがいを感じます。

    今後の目標

    今後も、患者さんに接する様々な職種の相談者として、また患者さんの生活を超急性期から取り戻す専門家として、日々の看護を楽しんでいきたいと考えています。

  • 指導者としては学びの途中
    対話を通して成長意欲を引き出したい

    臨床指導ナース
    Aさん(2008年入職)

    入職から現在までの経緯

    新卒で当院に入職しました。初めは一般消化器外科、整形外科、形成外科がある外科混合病棟に配属となり、7年目に血液内科へ異動し現在も同じ病棟で勤務しています。途中1年間、教育担当部署の配属となり看護部の集合教育の企画、運営などに携わりながら、臨床指導ナース育成研修を受講しました。病棟に戻ってからは臨床指導ナースとして役割を担いながら、日々の看護実践を行っています。

    現在の仕事内容とやりがい

    現在は病棟で一メンバーとして看護実践を行いながら、教育担当部署での経験や研修を通して学んだ教育に関する理論や技術を活用し、新人看護師など発達レベルⅡまでの看護師、プリセプターの役割を担う看護師、臨床実習を行う看護学生への支援を行っています。相手の困りごとがどこにあるのか、それはどうすれば克服できるのかを一緒に考え、対話の中で「わかった」という反応が見られたり、その後「できた」という報告を受けたりすると嬉しく、相手の成長への変化を見つけられる所に面白さを感じます。

    今後の目標

    新人時代から今まで、患者さんから学んできたことに加えて、先輩看護師から助言や指導をいただきながら看護師として成長できたと感じています。今は自分が指導する立場にありますが、指導者としては学びの途中で、後輩看護師から学ぶことも多いです。どのように関われば相手が「頑張ろう」「成長したいな」と思い、行動に移せるかを考え、日々コミュニケーションをとり、患者さんのベッドサイドでモデルとなることで学習支援をしていきたいです。そのために今後も自己の課題と向き合い取り組んでいきたいと思います。