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教育支援体制EDUCATION SYSTEM

年間研修計画・内容

看護師の成長・発達に合わせて、様々な集合教育プログラムがあります。

急性期医療を実践する看護師として安心して実践できることを目指し、臨床実践力を高める研修を実施しています。
より臨床に近い環境で学習できるシミュレーション学習も積極的に実施しています。
チーム医療で活躍する看護のリーダーを育てるために、リーダーシップに必要な概念化能力や対人関係のスキルを学習するリーダー研修やアドバンス研修もあります。
実践に活かせる研修、個人のキャリアを伸ばすしくみを整えています。

下図は左右にスクロールできます

発達レベルⅠを目指す研修

「新人看護師の一年」をご覧ください。

発達レベルⅠ研修

  1. 静脈注射研修 講義・演習

      <目的・目標>

    1. 法的責任、解剖生理、薬理など静脈注射(静脈留置針・翼状針・中心静脈ポート針の刺入)と採血を実施する責任について理解できる。
    2. 静脈注射(静脈留置針・翼状針・中心静脈ポート針の刺入)と採血を実施するために必要な知識を学び、基本の技術を経験し自己の課題を明確にできる。
  2. 看護過程とフィジカル
    アセスメントⅢ研修

      <目的・目標>

    1. 統合的にフィジカルアセスメントできる。
    2. 看護計画の立案、評価修正ができる。
  3. 看護過程とフィジカル
    アセスメント OJT評価プログラム 3回/年

      <目的・目標>

    1. フィジカルアセスメントの観察の視点が広がり、統合的な判断ができる。
    2. 日頃の看護実践を振り返り、実践の価値や意味を見出し言語化できる。
  4. 事例報告のすすめ方(前期、後期) 2回/年

      <目的・目標>

    1. 日々の看護実践からテーマを絞り込み看護過程の展開ができる。
    2. 事例報告のプロセスが理解でき、取り組むことができる。
    3. 論文のクリティークを行い、看護実践を他者にわかりやすく伝えるためのポイントがわかる。
  5. 口腔ケア研修

      <目的・目標>

    1. 口腔ケアにおける看護師の役割を理解し、アセスメント力・判断力を身につける。
    2. 基本的な口腔ケアを身につける。
  6. せん妄予防・ケア研修
    基礎編

      <目的・目標>

    1. せん妄について正しく理解し、アセスメントに必要な基礎知識を習得する。
    2. せん妄アセスメントに使用するツールを正しく理解し、アセスメントに活用することができる。
    3. アセスメントしたことをもとに、看護ケアにつなげることができる。
  7. リーダーシップと
    メンバーシップ/
    退院支援研修 基礎編

      <目的・目標>

    1. 慶應チームナーシングにおけるメンバーの役割とリーダーの役割の理解を深めることができる。
    2. メンバーおよびリーダーとしての自己の課題がわかる。
    3. 看護部の組織と管理体制について理解する。
    4. 当院の退院支援のしくみを知る。
    5. 退院支援におけるメンバーの役割がわかる。

発達レベルⅡ研修

  1. リーダー研修
    (6月〜翌年3月)

    <目的>
    慶應義塾大学病院の看護の質の向上のために、リーダーシップ能力の開発を通して看護師としての自律を目指す。

      <目標>

    1. 組織人・専門職として行動できる。
      1. 慶應義塾の組織と理念を理解している。
      2. 慶應義塾大学病院看護部の組織と理念を理解している。
      3. 組織人として理念をふまえた行動ができる。
      4. 看護師として倫理観に基づいた行動ができる。
      5. キャリア開発に必要な自己の課題が明確にできる。
    2. 自己を認識でき、円滑な人間関係を保つことができる。
      1. 自己を客観的に振り返り、自己の認識を深めることができる。
      2. 人間関係論を理解し、円滑な人間関係を調整、保つことができる。
      3. 看護の場におけるプレゼンテーションが効果的にできる。
    3. 全体の状況を把握し、問題解決ができる。
      1. 病棟の現状を客観的に把握している。
      2. 問題解決過程を理解し、実践ができる。
    4. チームメンバーの意欲を高め、目的達成のための支援ができる。
      1. チームメンバーの看護観、行動特性、力量を理解し、関わることができる。
      2. チームメンバーと信頼関係を持ち、協働意欲を高めることができる。
      3. 目標達成のための指示、支援ができる。
    5. 指導的役割を果たすことができる。
      1. チームメンバーの育成ができる。
      2. 看護の質の向上を図ることができる。
  2. プリセプター研修 
    4回/年

    <目標>

      【第1回】

    1. プリセプター役割を理解し、新人看護師の状況に応じた支援と指導を行う準備ができる。
    2. 新人看護師の状況を把握し、効果的なモデリングを実践するための方法がわかる。

    【第2回】

    1. 指導者としての自分を振り返る。
    2. ケアリングについての理解を深め、新人看護師をケアの対象としてとらえられる。

    【第3回】

    1. 指導者としての自分を振り返り、自分の成長や変化に気づく
    2. 他部署のプリセプターと指導状況を共有し、育て方の引き出しを増やす

    【第4回】

    1. プリセプターとしての自己の成長や変化を言語化し、整理する。
    2. プリセプターの経験をふまえ、今後のキャリアを考える。
  3. フィジカルアセスメントOJT指導者研修 2回/年

      <目的>

    1. 発達レベルⅠ看護師のフィジカルアセスメントにおけるクリティカルシンキングの支援ができる。
    2. 発達レベルⅠ看護師の「経験の意味づけ」につながるリフレクションの支援ができる。
    3. 指導者としてのスキルを向上できる。

      <目標>

    1. 思考の言語化を促す支援の方法がわかる。
    2. 指導者としてのフィジカルアセスメントの視点を点検し、自己の課題を整理する。
    3. リフレクションを通して、自己の経験の意味づけができる。
    4. 経験の語りを通して経験に内在する実践の知に気付くことができる
    5. 「経験の意味づけ」につながるリフレクション支援のフィードバックがわかる
  4. 退院支援研修
    応用編

      <目的・目標>

    1. 当院の入退院支援のしくみを理解できる。
    2. 患者の生活をふまえた情報収集やアセスメント、患者や家族との目標共有ができる。
    3. 疾患を抱えながら暮らしを継続するイメージを持ったうえで、必要な支援を考えられる。
  5. せん妄予防・ケア研修
    応用編

      <目的・目標>

    1. せん妄を正しくアセスメントし、患者の状態に合わせた看護ケアができる。
    2. 多職種と連携し、チームでせん妄予防やせん妄ケアを実践することができる。

発達レベルⅢ研修

アドバンス研修
(5月〜翌年3月)

    <研修の目的>

  1. 患者を含む医療チームメンバーと目標を共有することができ、目標達成にむけて患者の健康上のニーズや社会生活上のニーズに応じた資源を活用し、ケアの統合性を高めることができる。
  2. チーム医療のリソースパーソンとして包括的看護実践を支援できる。

    <研修者の目標>

    研修者は自己評価を行い、同僚、管理者から他者評価を受けながら、研修修了までに下記の目標に到達できるように取り組む。

  1. 職場の問題状況を取り上げ、PDCAサイクルを1周以上まわすことができる。
  2. 問題の優先順位がわかり、評価を含めた問題解決のプロセスを論理的に分析できる。
  3. メンバーを動機づけて、問題解決に参画を促すことができる。
  4. メンバーと成果の評価を通し、達成感を共有できる。
  5. 自己の陥りやすいコミュニケーションの傾向をふまえ、自己を調整でき、相手を尊重したコミュニケーションが図れる。
  6. 専門職としてのモデルであることを意識し、意見調整、交渉を実践できる。

発達レベルⅣ研修

臨床指導ナース育成研修

    <目的>

  1. 臨床判断力および教育力の高い看護師が集合教育ならびにOJTにおいて、その能力を発揮することで、チームとしての看護の質を保証することにつなげる。
  2. 臨床指導ナースは、ジェネラリスト・ナースとして成長発達した看護師が、個人の内的動機付けを高め、活き活きとキャリアパスを描きながら組織の中で活躍できる。

    <目標>

  1. 発達レベルⅡまでの看護師を教育・指導することができる。
    1. 発達レベルⅠにある看護師のフィジカルアセスメント能力を高めるための、効果的な指導方法について習得できる。
    2. 発達レベルⅠの看護師が事例報告としてまとめるための支援を計画的に実施できる。
    3. プリセプターの精神的な負担について理解し、プリセプターがより効果的に新人看護師を指導できるように支援できる。
    4. 部署全体で新人指導に取り組むための具体的な支援策を提案できる。
    5. 臨床現場の指導者として集合教育の内容・方法等について提言できる。
  2. 看護学生および学習環境を理解した上で、効果的な実習指導ができる。
    1. 部署全体で看護学生の実習目標に合わせた指導が行えるよう学習環境を整えることができる。
    2. 看護学生の学習レディネスを理解した上で、実習成果について適切にフィードバックできる。

臨床指導ナース育成プログラム
全体像

講義内容

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科目 主な内容
基礎編 看護学教育 看護学教育の現状と課題 臨地実習における教育方法
レジリエンスを育む
教育方法
・レジリエンスの要素を知る
・レジリエンスを使った教育方法
看護師のメンタルヘルス 看護師のメンタルヘルスの現状 困難を乗り切る力を育てる
看護研究・看護理論 研究・理論における看護理論 ケースレポートの目的、支援方法
臨床倫理(看護倫理) 看護専門職の責任と倫理 倫理的ジレンマ 倫理的感受性
ケアリング ケアリングとは 教育におけるケアリング
応用編 コミュニケーション演習Ⅰ コーチングの基本概念とスキル GROWモデルを活用した質問
コミュニケーション演習Ⅱ 人材育成のための行動目標をコーチングによって導き出す
リフレクションを用いた
教育的指導方法
指導場面の映像と、逐語録に対するフィードバックとグループディスカッション
自己の内省と成長の確認
看護過程の指導方法 看護過程を指導する上で必要な最新の知識 
看護学生や新人看護師が看護過程を展開する上で感じている困難さ