看護過程とフィジカルアセスメントⅢ/静脈注射研修(演習)が開催されました
【研修の概要】
2020年3月12・13日に、2019年度新採用者を対象に看護過程とフィジカルアセスメントⅢ/静脈注射研修(演習)が開催されました。看護過程の思考と実践の結びつきをより意識して行う研修の第3弾です。看護過程の講義・演習では、模擬事例の全体像を捉えて、看護計画についてグループで話し合いました。そして演習では、実際にベッドサイドで模擬患者に対して、フィジカルイグザミネーションを用いて情報収集を行い、得られた情報からアセスメントを行って看護援助を考えました。
静脈注射研修(演習)では、採血、長時間持続注入(サーフロー針)、短時間持続注入(翼状針)の3つの項目について、それぞれ手順と手技のポイントを講義で学んだ後に、シミュレーターを用いて一連の流れを体験しました。研修者はとても真剣な表情で演習に取り組んでいました。
【研修の目標】
1.統合的にフィジカルアセスメントができる
2.フィジカルアセスメントの結果から、患者の看護援助を見出すことができる
3.静脈注射を実施する責任について理解し、判断力を養う
4.静脈注射を実施するために必要な知識を備え基本的技術を身につける
【研修の内容と当日の様子】
COVID-19対策で1回の研修を少人数で開催し、看護過程とフィジカルアセスメントⅢと静脈注射研修(演習)はそれぞれ別室を設け同時進行で、密にならないように配慮して研修を行いました。
看護過程とフィジカルアセスメントⅢでは、研修者は事前準備として、模擬事例患者の全体像を把握し、看護診断・看護計画の立案、模擬患者に対するフィジカルアセスメントの知識の確認を行いました。事前準備した内容を看護過程の講義演習の中で共有し、お互いに今まで培った実践の学びを活かし、立案した看護計画が要因を解決するためのものになっているのかを様々な視点から考えて意見交換を行いました。
模擬事例患者の全体像を捉えたところで、患者の個別性を考えながら、患者の症状を幅広い視点で観察し、様々な可能性を考えてフィジカルアセスメントの演習を行いました。また、各自がフィジカルイグザミネーションを実施している場面をビデオで撮影して、グループ内でフィードバックをし合い、手技を確認しました。その後、模擬事例患者のフィジカルアセスメントの結論と看護の方向性について各グループで意見を出し合い、看護計画の評価・修正を行いました。関連因子(要因)に対して計画を立案するということについて理解が進み、具体的な看護援助について考えていくことができました。
静脈注射研修(演習)では、事前に基礎看護技術マニュアルの確認と、動画の視聴を行った上で研修に臨みました。研修当日、静脈注射実施にあたっての看護師の責務についての講義を受けて、真空採血管を用いた採血、長時間持続注入(サーフロー針)、短時間持続注入(翼状針)について、それぞれマニュアルに沿って手順とポイントの確認を行い、事前学習動画を活用して一連の流れを復習してからトレーニングを行いました。トレーニングでは、研修者2~4人に対し臨床指導ナース1人が指導にあたり、各自シミュレーターを使用して一連の流れを演習しました。自主トレーニングの時間も設け、各自手技の獲得を目指しました。
【研修者からの声】
看護過程とフィジカルアセスメントⅢでは、「患者の全体像を捉えることで多角的な視点でCueを抽出することができ、より個別的な看護計画を立案することができた」、「患者の状態は日々変化していくため、都度看護計画の妥当性を考え、評価・修正を行うことが重要であり、それが患者の目標達成につながっていくことを学んだ」、「客観的に自分で行っていることを動画で振り返ることで、必要な声かけや配慮に気付くことができた」、「患者の訴えに対し、どのようなことが予測され、緊急性はどの程度あるのかを捉えながらアセスメントを行っていく必要性があることを学んだ」 などの声が聞かれました。演習を通し、事前課題で立案した計画、SOAP&フォーカスの妥当性について考えることができました。また模擬事例患者の症状を幅広い視点で観察し、フィジカルアセスメントを行うことができており、フィジカルアセスメントが自信をもってできると答えた研修者も多く、日々の看護実践に結び付く研修になりました。
静脈注射研修(演習)では、「侵襲性の高い手技であり、看護師として責任をもって行う必要があると感じた」、「手技だけでなく、患者さんへの配慮や観察事項なども学ぶことができた」 などの声が聞かれました。指導者のもと一連の手技を体験しただけでなく、静脈注射が患者さんにとって侵襲の大きい処置であり責任を伴う行為であることや、患者さんへの配慮も忘れてはいけないことを再認識しました。また、多くの研修者から、今後さらに自主トレーニングの場を活用して自主練習を積み重ね、確実な技術を習得し実践に活かしたいという声が聞かれました。