「看護過程とフィジカルアセスメントⅡ」研修を開催しました
1年目看護師を対象に開催される看護過程とフィジカルアセスメント研修はⅠ、Ⅱ、Ⅲと合計3回あり、1年間かけて行う研修です。3回の研修を通して、患者さんの全体像を捉え統合的にフィジカルアセスメントを行い、一連の看護過程が理解できることを目標としています。今回の看護過程とフィジカルアセスメントⅡ研修は、看護過程のアセスメントから看護計画の立案までを学びました。まず、模擬患者の症状を捉え、Ⅰ研修で学んだフィジカルイグザミネーションを活用しながら情報収集し、臨床推論の思考過程を言語化しながらフィジカルアセスメントを行いました。その後、アセスメントの結論を踏まえて看護診断、計画の立案を行いました。
【研修目標】
1.患者に応じたフィジカルアセスメントの視点をもって観察項目を表現できる
2.正確なフィジカルイグザミネーションを行い、フィジカルアセスメントができる
3.患者のCueから看護問題を特定できる
4.看護介入の方向性を表現できる
【研修内容】
研修者4人に対して指導役の臨床指導ナース※1名が入り、シミュレーショントレーニング、グループワークに取り組みました。
研修者は、関連図を活用し患者の全体像の把握、Cue(気がかり、強み)から看護問題を特定する過程を学んだ後、模擬患者を用いた演習を行いました。研修者は患者の正常からの逸脱に気づき、緊急性の判断をして、得た情報から患者にどのような事が起きているか予測し、フィジカルアセスメントを行いました。その後グループメンバーで話し合い、アセスメントの結論を導きました。
※臨床指導ナースとは、看護師の専門性を活かした高い臨床判断を持つと同時に、教育に関して高い能力を有し、組織の中で継続的に教育的役割を果たす看護師です。
その後フィジカルアセスメントの結論から、看護診断・計画をする過程を講義で学び、患者の看護診断を行い、看護計画を立案するワークを行いました。
研修者からの学びの声を以下にご紹介します。
・フィジカルアセスメントを行う際は、患者の状態をもとにあらゆる病態を予測し、それを検証するために必要なフィジカルイグザミネーションを判断して実施していくことが重要だとわかった。
・フィジカルアセスメントで何の情報を得るのかを判断するためには事前に病態の理解が必要であることを実感したので、知識を深めていきたい。
・看護診断と要因や計画が相互に関連していることを学び、どのような順序で思考していくかを学ぶことができた。
・グループワークを通して自分一人では気づくことができなかった視点や知識を学ぶことができた。また、チームで協力して看護をする重要さが理解できた。
研修者は研修での学習内容を踏まえて実践でどのように学びを活用していくか目標を立て、現在各部署で取り組んでいます。
次回は、統合的にフィジカルアセスメントを行い看護計画の評価・修正ができることを目標に、看護過程とフィジカルアセスメントⅢ研修を3月に開催する予定です。