看護過程とフィジカルアセスメントⅠ研修が開催されました
2020年7月8・9・10・13日の4日間、2020年度新採用者を対象にした看護過程とフィジカルアセスメントⅠ研修が開催されました。この研修は、一年間を通じて看護過程の思考の整理とフィジカルアセスメントを実施し得た結果を統合できるように、発達レベルⅠ到達までにⅠ・Ⅱ・Ⅲの3段階で構成されております。
研修者は事前に模擬事例患者の情報と看護の方向性について整理を行い、講義やグループワークを通じて看護過程や看護の概念枠組みについて学びました。循環器、呼吸器、消化器、脳神経、筋・骨格の各領域について講義と問診・フィジカルイグザミネーションの演習を行いました。問診のスキルや正しいフィジカルイグザミネーションの方法を学び、臨床での実践につながる研修となりました。
【研修目標】
1.看護過程の概念・プロセスについて、実践と結び付けて理解できる
2.各領域のフィジカルアセスメントに必要な知識が分かり、実践できる
3.正しいフィジカルイグザミネーションの方法が分かり、実践できる
【研修内容】
研修者3~4人に対し指導者が1人指導にあたり、演習を行いました。看護過程の講義・演習では、ゴードンの枠組みに沿って模擬事例患者の情報整理をグループ内で共有し、事実を捉えることができているか確認し、情報を整理してCueの特定と要約を行いました。さらに、アセスメントを行っていくにはどのような情報が必要であるか、フィジカルアセスメントに必要な問診のスキルやフィジカルイグザミネーションについて学びました。
続いて、循環器、呼吸器、消化器、脳神経、筋・骨格の各領域について講義を受けた後、研修者が看護師役、患者役、観察者(評価者)となり、講義の学びを活かし実際に問診・フィジカルイグザミネーションの演習を行いました。まず始めに、研修者が問診・フィジカルイグザミネーションの演習を行った後、指導者がデモンストレーションを行いました。デモンストレーションを見て、研修者は緊急性の判断やフィジカルイグザミネーションの手技・視点を確認し、自分たちの演習には何を補ったら良いのかお互いにフィードバックし合い、安全安楽に配慮をしながら、正しい手技でフィジカルイグザミネーションの一連の流れを完成していくことができました。
<循環器系>
慢性心不全看護認定看護師から、循環器領域におけるフィジカルイグザミネーションや心電図波形の見方について講義を受けました。講義の内容を活かして、循環だけでなく呼吸状態とも関連させながら問診やフィジカルイグザミネーションを実施し、12誘導心電図の撮り方の練習も行いました。
<呼吸器系>
シミュレーターを用いて正常・異常呼吸音の聞き分けや、気管や肺区域を表した解剖シールを研修者が自分たちの身体へ貼りながら、気管や肺の解剖と位置について理解を深めながら、呼吸音の聴診や打診などフィジカルイグザミネーションの演習を行いました。
<消化器系>
消化器の解剖生理や腹部の区分、フィジカルイグザミネーションを行う際の体位やポイントについて講義を受けました。その後、講義での学びを活かし患者さんの苦痛やプライバシーに配慮しながら、フィジカルイグザミネーションの順番に注意して演習を行いました。
<脳神経系>
患者さんの状況から意識レベルの判断や、緊急性の判断を行いながら実際に瞳孔所見の評価や麻痺の観察方法も実践しました。 また、意識障害とせん妄の違いや意識レベルが低下した患者さんの要因やアセスメントの大切さを学びました。
<筋・骨格系>
日常生活動作に必要な関節可動域について学んだ後、研修者がお互いに関節可動域(ROM)の評価と徒手筋力テスト(MMT)を行いました。関節可動域(ROM)や徒手筋力テスト(MMT)は、リハビリの効果判定や患者さんの変化を捉える指標にもなり、日常生活と関連させてアセスメントすることが大切であることを学びました。