2021年度プリセプター研修が始まりました
2021年3月16、17日に、第1回プリセプター研修が開催されました。当院看護部では、新人看護師を支える組織体制としてプリセプターシップを行っています。プリセプターは新人看護師を指導する役割を担い、組織は、プリセプターの指導者としての成長を支援します。この研修では、プリセプター役割を担うために必要な指導スキルを学習し、1年間を通じてプリセプターが自己の教育能力の膨らみを評価・確認することで自己の成長につなげ、プリセプター役割を担う上で生じる不安や負担感を軽減させることをねらいとしています。今年度初めてプリセプター役割を担う看護師を対象としており、今年度は63名の看護師が研修を受けています。
【研修目標】
1.新人看護師を取り巻く状況について理解し、どのように職場環境を整えればよいか考えることができる
2.新人看護師と建設的な関係を築くために、共に学んでいく姿勢がもてる
3.自分自身のコミュニケーションの傾向を振り返り、教育的な関わり方を理解する
4.看護技術を指導するために必要な教え方の原則を理解できる
5.基本的な看護技術のモデルを示せるよう自己の教え方について点検し、効果的な指導方法を表現できる
【研修内容】
研修は、2部構成になっており、前半は「プリセプターになるための準備研修」、後半は「教え方の技術研修」を行いました。前半は、まず研修の目的・目標、プリセプターシップについて研修者と共有しました。その後グループに分かれ、プリセプター役割を担うにあたって大切にしたいことや自己の強みを言語化しながら、プリセプター役割を担う上での目標を立てました。そして、臨床心理士でもある慶應義塾大学看護医療学部の専任講師から、「新採用者の立場を理解した有効な支援」というテーマで講義を受け、新人看護師の特徴、ストレス状況とメンタルヘルス、コーチングスキルについて学習しました。講義の後、2人1組でロールプレイを行いコーチングスキルについて理解を深めました。
後半は、実際に効果的な技術指導について学習することを目的に点滴作成、点滴交換、経管(胃管)から投与する場面で、4人を1グループとし、1人がデモンストレーションを行い、他のメンバーが手技の見せ方、説明の仕方についてフィードバックを行いました。
研修者は4月に新人看護師を対象とした看護技術研修に指導者として参加し、研修時の学びを生かして、内服・点滴投与時の指示受けから投与までの一連の流れを新人看護師に指導しました。
【研修者の声】
講義や演習を通して、「できていることに目を向け、ポジティブフィードバックをことが大事だと気付いた」、「積極的に声掛け、精神面のサポートも大事だと分かった」という意見や、新人看護師への指導体験を通して「普段自分が当たり前に行っていることでも根拠を説明しながら教えることの大切さがわかった」、「新人看護師の反応や理解度を確認しながら指導する必要があることを学んだ」など、各自が多くのことを学ぶことができました。
現在は、今回の研修を通して得た学びを各部署に持ち帰り、新人看護師への支援を実践することを通してプリセプターシップを発揮できるよう日々取り組んでいます。