急変時の対応シミュレーションを実施しました
2021年12月10日から、2022年1月31日にかけて、急変時の対応強化のため、COVID-19感染症対応を含む急変時の対応シミュレーションを、希望部署に向けて開催しました。2020年にJRC蘇生ガイドラインが改定され、「病院における新型コロナウィルス感染症(COVID-19)対応救急蘇生法マニュアル」が新たに追加されたため、これに基づいた急変時対応のシミュレーションを実施しました。各病棟の実際の病室で行ったシミュレーションでは、臨床現場でのシミュレーションによって実践的な課題が明確になったという声が多く聞かれました。また、医師やナースアシスタント等、多職種にも参画してもらうことで、多職種連携におけるコミュニケーションや、チームワークの取り方についても意識することができました。
【研修目標】
看護師はシナリオシミュレーションを通じて、急変時対応が実践できる。
【研修内容】
設定は、夜勤帯とし、夜勤の看護師数と同様の3人と、担当医をシミュレーション実施病棟から選定しました。シミュレーション中に応援要請や院内救急をした際には、担当医や救急科医師と看護師が駆けつける設定としました。状況設定は、担当看護師が病室で意識のない患者を発見、BLSから気管挿管の初動対応の一連の流れを病室で行いました患者は気管挿管とBLSが行えるシミュレーターを使用し、AEDは実際の設置場所に練習用のAEDを設置、救急カートも実際に使用するものに練習用資材を入れて使用するなど、実際に近い状態で行いました。ICLS有資格者の看護師がインストラクターとなって、観察や評価、アドバイスを行いました。学習効果を高める方策としてシミュレーションを1回行いフィードバッグをした後に、もう一度シミュレーションを実施し、その変化を確認、振り返りました。さらに、全体への波及効果として、シミュレーションでの学びを部署で共有するための振り返り表を配布し、参加者が部署に学びをアピールして学習を定着する機会を設けました。
【研修者の声】
胸骨圧迫の質を維持することや早期AEDの装着、声を掛け合う、個人防護具を着用してから急変対応に当たる等、1回目のシミュレーションで出た課題が2回目ではできるようになったという意見が多数聞かれました。また、救急カートの位置や、物品の把握が不十分であるため日頃から点検を行ったり、中身を確認する場を設ける、物品の使い方の復習をしておくなど、初動が円滑にできるように、事前準備が重要であるという意見も聞かれました。コロナ禍での急変時対応とういう点では、「個人防護具を装着する前に何ができるかを病棟で話し合う」「個人防護具の装着が必須になったことで手持ち無沙汰になる場面があったので、個人防護具の一番近い設置場所を把握し、速やかに持ってくることを意識する」など、新型コロナウィルス感染症対応救急蘇生法マニュアルに基づいた、部署でできる最善策を検討する部署が多く見受けられました。