看護過程とフィジカルアセスメントⅠ研修を開催しました
新採用者を対象とした看護過程とフィジカルアセスメント研修はⅠ・Ⅱ・Ⅲと1年間で合計3回あります。患者さんの全体像を捉え統合的にフィジカルアセスメントを行い、看護過程が展開できることを目標としています。
今回のⅠ研修は、看護過程の基本を理解することと、緊急性の判断・問診やフィジカルイグザミネーション(視診・聴診・打診・触診)の技術の習得を目指しました。
【研修目標】
1.フィジカルイグザミネーションを実施するための方法がわかる
2.フィジカルイグザミネーションを実施できる
3.フィジカルイグザミネーションで得た生体反応の正常、正常からの逸脱がわかる
4.患者の状況に応じた意図的な情報収集の視点・方法が理解できる
5.Cueを抽出し看護の方向性を検討できる
- 【研修内容】
- 看護過程におけるフィジカルイグザミネーションの意義や各領域(呼吸器、循環器、腹部、脳神経)の講義を受け、研修者が順番に看護師役・患者役・看護師サポーター役となり、臨床現場を想定しながら問診・フィジカルイグザミネーションの演習を行いました。演習は研修者2-3人に対し指導者として臨床指導ナースが1人入った少人数のグループで行いました。
- 呼吸器領域では肺の解剖シールを体に貼り、どの肺区域がどこにあるかを理解しながら聴診器を当てる演習を行いました。これにより「肺区域を想定して聴診できるようになった」という研修者の声もありました。
また、循環器領域では慢性心不全看護認定看護師がフィジカルイグザミネーションや心電図波形の判読方法や異常時の対応方法について講義を行いました。腹部では解剖生理を念頭に置いたフィジカルイグザミネーションの方法について、脳神経では意識レベルの評価方法、対光反射や瞳孔径、麻痺の観察方法についても講義、演習を通して学びました。
看護過程については、講義とグループワークを通して、看護過程やゴードンの11の機能的健康パターン、Cue(患者さんの強みや看護上の問題)について学びました。
上記研修で得たフィジカルイグザミネーションスキルを繰り返しトレーニングし、さらに技能を向上させること目的に、フィジカルイグザミネーションスキルアップトレーニングを開催しました。医療模型を用いて教育担当看護師や臨床指導ナースから指導を受けながらスキルアップを図ることができました。
研修者からの学びの声を以下にご紹介します。
・患者役で打診をされる側にもなったため打診が多少の痛みを伴うことがわかり必要最小限で情報をとれるよう練習することが大切だとわかった。
・看護過程の演習では患者さんの問題点に目がいきがちであったが、強みを考えてそれを活かした関わりをすることで、個別性に配慮したよりよい看護が出来ることに気付いた。看護師の日々の小さな患者さんの強みや看護上の問題への気付きが患者さんにとってのよりよい生活を送る支援をすることにつながると学んだ。
・スキルアップトレーニングで正しい呼吸音の聴取方法や異常呼吸音の聞き分けを勉強し、自信をもって患者さんに実践できるようになった。
現在、各研修者は研修で学んだことを活かして病棟で先輩の指導を受け、更なるスキルアップを図っています。