フィジカルアセスメント研修Ⅲに参加して②~看護師2年目を迎えて~
慶應義塾大学病院 看護部 看護師 本荘望海
私は現在、昨年の8月に新設された3号館南棟5階病棟で、2年目看護師として働いています。当病棟には、混合外科として主に消化器外科などの患者さんが入院されていますが、急性期ケアだけでなく、時には終末期の患者さんに関わることもあり、看護は多岐に渡ります。2年目としてまだまだ分からないことがたくさんある中で、自分の看護に自信が持てずにいたこの時期に行う、テルモメディカルプラネクスでのフィジカルアセスメント研修Ⅲは、看護師としての自分をじっくり振り返ることのできる良い経験になりました。私のグループには2年目看護師3人に対し、インストラクター1人がついてくださり、基本的なフィジカルアセスメントの方法を再度丁寧に指導してもらいました。
研修の中で一番印象に残ったことは、症状を訴えるSPさん(※)に対しメンバー1人ひとりが問診し、その場面をビデオへ撮影した後に、自分たちの看護を映像で確認しながらグループで振り返るという、シミュレーションとビデオフィードバックです。シミュレーショントレーニングの機会は、全部で4回。私たちのグループは3人だったので、誰かが2回シミュレーションを行えます。順番は3人で“じゃんけん”で決めました。私はトップバッターになってしまい、最初は怖気づいてしまいそうになりましたが、症状を訴え、苦しそうにしているSPさんに対し、今までの院内での研修や、普段の病棟での患者さんの関わりを思い出しながら、落ち着いて臨みました。研修の場でも病棟での看護でもそうですが、患者さんが少しでも安心できるよう声をかけながら、なおかつ看護師として正確なフィジカルアセスメントを着実に行っていくことはまだまだ難しく、引き続きトレーニングが必要だと感じました。
また、他メンバーのシミュレーションを客観的に観察したことで、自分の気づかなかった視点を得ることができました。シミュレーションは、トップバッター(1回目)とアンカー(4回目)をさせてもらいましたが、アンカー時には、仲間のそれぞれの良い面を取り入れながら、フィジカルアセスメントの根拠もしっかりとし、さらにSPさんが安心できるような対応も少しずつ余裕をもってできるようになりました。
研修後のフィードバックでは、「腹痛を訴えていた時に、実際に手でさすりながら話を聞いてくれたことは、とても安心感につながった。」というコメントをSPさんからいただきました。普段はあまり意識していなかった行動ですが、看護師のちょっとした言動が患者さんの安心感や信頼関係の構築につながるのだと気づかされました。また、インストラクターに、落ち着いた環境の中で自分の看護について指導して頂いたことで、自分に不足している知識やアセスメント能力についても自分自身で整理することができ、今後につながるとても学びの多い研修となりました。
普段、同じ病院内で働いていてもなかなか顏を合わすことのない学生時代からの同期たちと、わきあいあいとした雰囲気の中で一緒に研修に取り組め、 自分たちの成長を実感することができて、とても良い刺激となりました。この研修での経験を生かし、同期たちと一緒に看護師としてさらに成長できるように頑張っていきたいです。
※SPさん :Simulated Patient。
模擬患者さんのこと。あらかじめ臨床場面のシナリオを覚えて、
研修等で再現性のある演技を行なう人。事前にSPトレーニングを受けている。