看護部からのお知らせ INFORMATION

第2回 フィジカルアセスメントOJT指導者研修を開催(平成25年10月)

呼吸・循環のフィジカルアセスメント
何を聞き、どう表現し、どう伝えるか
そのための共通言語と仕分けのルールを学ぶ

 

 「呼吸・循環器系のフィジカルアセスメント」は、急性期医療を提供するチーム医療メンバーに欠かせない能力の1つです。新人看護師に対しては、段階 的なフィジカルアセスメント教育のプログラムを組み、ボトムアップが進んできました。そこで今回は、臨床現場の指導の中心的存在である看護主任・副主任た ちを対象として、学習会を開催しました。
 講師には、フィジカルアセスメントの大家である山内豊明先生にお越しいただきました。そして何が「聞こえるか」ではなく、何を「聞くか」、自分が分かっ ている(聞こえている)ことをチームメンバーに分かってもらうため、仕分けのルールに沿って何と表現するか、アウトカムベースで考えることなどについて学 習しました。

概要

●テーマ :指導者のための呼吸・循環のフィジカルアセスメント
●講師:山内豊明先生(名古屋大学大学院医学系研究科基礎看護学領域 教授)
●日時:2013年10月8日(火)17:30~19:00(1.5時間)
●会場:慶應義塾大学信濃町キャンパス 孝養舎3階「実習室」
●対象:看護主任30名・副主任20名 (50名)
●内容
呼吸の聴診における標準語
呼吸の聴診の判断基準
聴診のポイント
呼吸音聴取を完成させる など

  • 講師 山内豊明先生
    講師 山内豊明先生

実りの秋です。ある人に“ブドウ”をいただいたとします。そのブドウはとてもおいしく、ぜひ取り寄せたいと思いました。しかし、おいしかった“ブドウ”が 何という名前のブドウかがわからなかったので、お取り寄せは叶いませんでした。せっかくおいしい“ブドウ”で友人をもてなそうと思ったのに…。残念な 結果に終わってしまいました。

 これと同じようなことがフィジカルアセスメントにも起こります。ある音を聞いたとき、自分にとっては普段聞き慣れた音だとわかっていても、それが何の音かを知らなければ、チームメンバーに伝えることはできず、ケアにも反映できません。
 呼吸音の名称は1985年に世界標準語が提唱されました。今回はその名称(世界共通言語)と、その音を特定するための仕分けのルール、何が起きているからその音が聞こえるのかなどについて、体験しながら学習しました。
 研修開始時と終了時に、呼吸音の聞き分けに挑戦しましたが、終了時にはほとんどの皆さんが自信を持って回答していた様子でした。

 

参加者の声

 

●呼吸音を難しく考えすぎないこと、異常な音は5種類しかないことがわかった。
実践を交えながらの講義であり、これまで何となくだったことが、明確になった。
昔のエビデンスなどは指導のさまたげになることを再確認できた。学習を継続したい。
指導を行なうには、まず自分に正確な知識が必要であることを再認識できた。
このような指導者の研修が充実すれば、OJTが継続されると思う。

 今回参加した看護主任・副主任の皆さんが、自分の知識やスキルに自信を深め、納得した表情で帰路につかれた様子が印象的でした。今回の学びが少しでも現場に還元でき、看護職のキャリア開発・支援につながることを願っております。
 最後になりましたが、各回の講義をご担当くださいました山内豊明先生、ご参加くださいました当院看護職員50名の皆さまに心よりお礼申し上げます。(スタッフ一同)