看護部からのお知らせ INFORMATION

ナースマンを目指す君と後輩へ ~看護現場から伝えたいこと~

慶應義塾大学病院 看護師 田口 大介

  • 後輩男性看護師と筆者(写真右)
    後輩男性看護師と筆者(写真右)

 皆さんこんにちは。田口大介と申します。私は、看護系大学・大学院を卒業後、慶應義塾大学病院に就職し、血液・消化器内科の混合病棟で約7年経験した後、現在は脳神経・形成外科などの外科系混合病棟で働いています。  男性看護師は、全国的に増加傾向にあるとはいえ慶應義塾大学病院においては全体の約8%(77人)とまだまだ少数派です。私も大学時代から女性の 社会の中で学び生活してきました。友人も、男性より女性の方が多いのではないでしょうか。高校時代の友人には、そのような環境を羨まれたこともあります が、正直、男友達との方が楽しいこともあります(笑)。これから看護師を目指す男子学生の中にも、同じように感じたり、職場での男性看護師の現状を不安に 思ったりする人もいるのではないでしょうか。  一般的な男性看護師のイメージは、「機械に強い」「力仕事が頼める」などが多いと思います が、実際には女性看護師も医療機器の知識は必要であり、最低限の力で患者さんを移乗するボディメカニクスの技術を学んでいます。そのため、私は働いている 上での性差をあまり感じていません。もちろん、清潔ケアの場面で「男性は遠慮させてください」と女性患者さんに言われることはありますが、一方で「男性だ から、話しやすい」と患者さんから頼りにされることもあります。また、女性の同僚からは「男性はこのような時、どう考えるの?」と聞かれることもあり、男 性ならではの資質を活用できる職場として、男性看護師が働く意義はとても大きいと感じています。だからこそ、もっと多くの男性看護師が現場に入ってほしい と考えています。  一方で、男性看護師が職場でなかなか馴染めず、苦労しているという話も聞きます。一つの原因になっているのが、コミュニケーションの取り方ではな いかと思います。私も含め、男性はなかなか自分のことを積極的に話すことが苦手です。その結果、悩んでいてもなかなか自分の気持ちや考えを表現できず、結 果として「何を考えているのかわからない」と他者に思われたり、必要なフィードバックが受けられなかったりすることがあります。医療の現場においては、相 互コミュニケーションは非常に重要です。自分のことを相手に伝えることで、相互の理解を深め、それが信頼関係の成立につながり、相手も話しやすくなるとい うよいサイクルが生まれます。男性は、自分の気持ちや考えを積極的に相手に伝えるということを意識してみると、うまくいくかもしれません。  私は、少数派なことをむしろチャンスと感じています。数が少なければ、それだけ目立ちますし、その中できちんと目標をもって勉強をし、自分を成長 させることができれば、評価され、さらにキャリアアップにもつながります。男性看護師のモデルはまだまだ少ないのが現状です。後輩のよきモデルとなれるよ うに、今後も自己研鑽に励みたいと思います。 ※参考 存在感増す男性看護師 受け皿拡大、積極採用も (日本経済新聞 2013/12/5付)