国際化の視点 INTERNATIONALIZATION
医療の現場でも国際化は急速に進み、さまざまな国の外国人への対応が求められています。言語だけではなく、文化や生活習慣など人々が持つ多様性を理解できるグローバルな感覚を持つ医療人の育成に努めています。
慶應義塾大学は文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援」事業に、世界レベルの教育研究を行うトップ大学として採択されました。看護部では看護医療学部と連携して、米国、中国、韓国の看護学生の短期留学を受け入れ、共に学ぶ機会があります。また、米国メイヨークリニックの専門性の高い看護師を招き、メイヨークリニックの看護や医療の情報にふれる機会もあります。さらに、毎年1~3名の看護師が海外研修に参加し、海外での実践から看護を学び、現場に還元しています。
病院の社会的役割としては、一般社団法人Medical Excellence JAPAN(MEJ)が進める「日本国際病院」に推奨され、医療渡航支援企業と連携した円滑な渡航受診の促進に取り組んでいます。
海外研修
海外研修は、慶應看護師の発達モデルレベルⅢ以上の看護師を対象としています。研修期間は1ヶ月で研修テーマ、行き先は各自が自由に決めることができるようになっています。
海外研修実績
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海外研修参加者の声
タイの病院で得た学びを当院の多職種連携で活かしたい
私は大学時代から他国の医療制度や病院に興味があり、カナダとイギリスでの研修に参加した経験がありました。他国での多職種連携を学び、チーム医療の中で病棟看護師の役割を改めて考えたいと思い研修に参加しました。
研修先はタイ・コンケン大学附属シーナカリン病院でした。3日間の病院見学の後、報告会で学びを共有しました。所属経験のある科の病棟や、タイで特別な存在である僧侶専用病棟を見学しました。
タイは国の風土として入院中も家族が付き添い、食事や着替えなどの介助をすることが多く家族を含めたセルフケア能力が高いです。外来・病棟看護師や医師、リハビリ療法士等が連携し、患者さんやご家族に対して入院前から術後の経過を具体的に想像できるよう情報提供をしていました。当院でも、外来で治療や検査のスケジュールをまとめた計画書をお渡ししてオリエンテーションを実施しています。今後、多職種連携により患者さん自身が術後の回復過程のイメージを持ち、患者さんやご家族が安心して自分らしく生活するための意思決定ができるよう支援していきたいです。