看護部からのお知らせ INFORMATION

看護過程とフィジカルアセスメントⅢ/静脈注射研修(演習)が開催されました

【研修の概要】
 2022年3月7~11日、2021年度新採用者を対象に看護過程とフィジカルアセスメントⅢ/静脈注射研修(演習)が開催されました。看護過程の思考と実践の結びつきをより意識して行う研修の第3弾です。看護過程の講義・演習では、模擬事例の全体像を捉えて、看護計画についてグループで話し合いました。そして演習では、実際にベッドサイドで模擬患者に対して、フィジカルイグザミネーションを用いて情報収集を行い、アセスメントした結果を具体的な看護援助に反映させるところまで実施しました。
 静脈注射研修(演習)では、採血、長時間持続注入(サーフロー針)、短時間持続注入(翼状針)、CVポートの4つの項目について、それぞれ手順と手技のポイントを講義で学んだ後に、シミュレーターを用いて一連の流れを体験しました。

 

【研修の目標】
1.患者の全体像をとらえた上で統合的にフィジカルアセスメントができる
2.フィジカルアセスメントの結果から看護計画の立案、評価修正ができる
3.静脈注射を実施する責任について理解し、判断力を養う
4.静脈注射を実施するために必要な知識を備え基本的技術を身につける

 

【研修の内容と当日の様子】
1)看護過程とフィジカルアセスメントⅢ
 各自が事前課題で行ってきた模擬事例患者の全体像および看護診断・看護計画の立案についてグループで共有しました。
 模擬事例患者の全体像を捉えたところで、患者が訴える症状について、患者の身体に何が起きているのかフィジカルアセスメントする演習を行いました。グループのメンバーとディスカッションしながら、患者の生活背景や治療経過を踏まえ、さまざまな視点から患者に起こりうる状態を予測し、必要な観察や看護について考えました。演習時は教育担当スタッフが患者役を務め、研修者はフィジカルイグザミネーションスキルを活かしながら、必要な観察を行いました。
 フィジカルアセスメントの結果を基に、緊急性の判断や患者の身体に起こっていることについて、グループとして結論を出しました。そして、他者に簡潔明瞭に報告することを目標に、先輩看護師役の指導者に報告する場面も実施しました。ディスカッションでは活発な意見交換がされており、お互いにこれまで実践で培った学びを活かし、仲間の意見を聞くことで理解を深める様子が見受けられました。
 演習後はアセスメントした結果を踏まえ、看護計画の評価・修正を行いました。事前課題で準備した看護計画が演習時の模擬事例患者の状態に適しているか、評価・修正し具体的な看護援助について考えることができました。

 

2)静脈注射研修(演習)
 事前課題として、基礎看護技術マニュアルの確認をする事と、手技の流れを示した動画の視聴を行った上で研修に臨みました。研修当日は、静脈注射実施にあたっての看護師の責務についての講義を受けました。また、真空採血管を用いた採血、長時間持続注入(サーフロー針)、短時間持続注入(翼状針)について、それぞれマニュアルに沿って手順とポイントの確認を行い、事前学習動画を活用して一連の流れを復習してからトレーニングを行いました。トレーニングでは、研修者2~4人に対し臨床指導ナース1人が指導にあたり、各自シミュレーターを使用して一連の流れを演習しました。

 

【研修者からの声】
 看護過程とフィジカルアセスメントⅢでは、「簡潔に報告するための知識がついたため今後実践していきたい」、「患者の状態は日々変化していくため、都度看護計画の妥当性を考え、評価・修正を行うことが重要であり、それが患者の目標達成につながっていくことを学んだ」、「患者の訴えや観察した情報から、疑わしい状態を考え、意図的な情報収集を行うというプロセスを実践できた。今後も病態に関する知識を増やし、このようなプロセスでフィジカルアセスメントを行うよう心がけたい。」などの声が聞かれました。
 静脈注射研修(演習)では、「神経や血管の動向を学習し、安全に実施できるよう練習を積み重ねたい」、「手技だけでなく、患者さんへの配慮も忘れずに行いたい」などの声が聞かれました。指導者のもと一連の手技を体験しただけでなく、静脈注射が患者さんにとって侵襲の大きい処置であり責任を伴う行為であることや、患者さんへの配慮も忘れてはいけないことを再認識出来ました。また、多くの研修者から、今後自主トレーニングの場を活用して練習を積み重ね、確実な技術を習得し実践に活かしたいという声が聞かれました。